2020-08-10 冷めたローズヒップ 兄が沸かしてくれた紅茶も。 日暮れのコンクリートの様に冷めて。 砂糖を溶かすことさえ許してくれなかった。 暗闇の中。 僕を繊細に包み込むローズヒップの香りは母そのもので。 穴の空いた癇癪な心を癒してくれた。 塩水と混ざり合い複雑な風味を醸し出しているその茶葉の香りは。 僕そのものだった。 成瀬ルカ