実に不可思議で不可思議なルカ君。

やけになって当時、父が使わなくなった旧式のiPodでくだらない記事を読み漁っていたことがある。別に知る必要性があったわけでは無いが、よく芥川龍之介やら夏目漱石wikipediaを覗いていた。
 
遠目で見るとそれはただの不規則に並んだ文字列の様なものだったが
どこか僕の心の中で
「何か文芸的な才能を過去の偉人の経歴を知る事で取り込めるのでは無いか...?」
とおとぎ話の様な神秘的な物に心を寄せていた様な気がする。
 
短い生涯の中で数々の作品を残してきた文豪たちは、きっと僕とは見えている物が大きく異なっているのだろうなと。改めて実感した機会にもなった。
また、それらの人たちが自分と同じ『人間』という骨組みで作られている事にも驚きを得たし、『僕』という存在の血肉がどれだけ脆い物だったのか。と、少しばかりか手の届きそうで届かないもどかしさを覚える。

 

ああ神様。夢であってくれ。